海の上のピアニスト/ピアノマン [ 映画の部屋]
今、何かと話題の海岸に流れ着いたピアノマン。それで、ふとこんな想像を...
「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレが監督、ティム・ロスが主演した「海の上のピアニスト(原題は"THE LEGEND OF 1900")」で、主人公である1900(これが名前、ナインティーン・ハンドレッドと読む)は、船を下りることなく船上で一生を終える。楽譜は一切読まず、乗客達の表情や仕草に合わせて、感性でのみ演奏されていく。この世の中(陸上を中心にした現世界)に存在することのない人間が生み出す、この世の中に存在し得ない音楽(たった一度、録音された原盤は破壊され...)。こうした全体の構成は、とても壮大なロマンチシズムを感じさせる。一方、ディテールにおいても、美術、撮影、もちろん音楽も、きめ細かく、いつの間にか映画の世界に入り込んでいくことになる。冒頭の自由の女神が登場するシーンも感動的だ(実際には、ああゆう形では見えないとは思うが...うちの息子は、このシーンで自由の女神を覚えました)。
この映画1999年に作られていて、20世紀という時代そのものを語っているようにも思えます。
そこで、今回のピアノマン....船とともに沈んだと思われていた1900が、自分の意志に関わらず、この世(陸上)に降り立ったというのはどうだろうか....きっと、はじめてこの世を知った1900は、彼のように自閉症的に振る舞うに違いない。1900、生きていれば105歳なのだが....彼には、是非、今までに聴いたことのない音楽を演奏してもらいたい。
そういえば、今度、日本でも上演される「ラヴェンダーの咲く庭で」に似ているなどという報道もあったけど、どうなんだろう....
それはともかく...「海の上のピアニスト」は、よい映画です。まだご覧になっていない方は、是非。
■参考
・海の上のピアニスト("THE LEGEND OF 1900") オフィシャルサイト(英語)
・ここで予告編を見ることができます(要 QuickTime)
・ラヴェンダーの咲く庭で オフィシャルサイト
・ピアノマンのニュース
ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版
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