深夜+1+シトロエンDS/ギャビン・ライアル [ 本の部屋]
「深夜プラス1(深夜+1)」という、いにしえのハードボイルド小説があるのだが、その中で2台の車がクローズアップされている。1台はジュラルミンのボディーを持つロールスロイス。もう1台は、緑色の血液の流れているシトロエンDSである。
この作家ギャビン・ライアル(Gavin Tudor Lyall)は、他の作品でも機械ものののディティールを、上手く表現しているが、ここでは、まったく性格を異にする2台を登場させることで、作者の自動車に対する観察力を感じさせる。無機質に徹した車と、どことなく有機的な車である。
「シトロエンDS」というのは、以前、今井美樹のビデオクリップ(「プライド」でしたっけ...)とか、ソニーのサイバーショットのCM、あるいは「鉄腕アトム」にも登場していて、どことなくオブジェ的要素が強い車である。
しかし一方で、パワーステアリング/パワーブレーキ/パワーギアシフト/パワーライト?(ハンドルを向けた方を照らす)/自動姿勢制御(コーナリングやブレーキ時に大きく姿勢を変えない、したがって制動距離が短くなる)等を、LHMという緑色の血液によって行う車として、1955年に登場しており(この方式は、改良され現在でも使用されている)、50年以上前のシステムが、現役でいられるほど先進的な車でもあった。
未来の車として、機能に相応しい外観を与えられたこの車が、50年たった今でも、「未来」を感じさせてくれるのは何故だろう?
マーケティングなどおかまいなしに、突き抜けた個性を持たされた存在...だからなのだろうか。
■ギャビン・ライアルの作品
■昔のシトロエン
シトロエン・ジャパンのホームページ:シトロエンDSも説明されています
フランスのシトロエンのサイト:ここら辺からページをめくってもらえれば、DSの活躍がよくわかります。
DSを買いたくなってしまったら...でも、DSとIDは別物です。ご注意を
■昔のロールスロイス
ネオストリートのホームページ:シルバーゴーストがかろうじて確認できます。
アイコン&お絵描き工房さんの戦車のページ:「この世で一体何を望むか」との問に「一生乗れるだけのタイヤを備えたロールスロイスシルバーゴースト装甲車だ」とアラビアのロレンスに言わしめた。やはり、シルバーゴーストの系譜には、装甲車としての役割を担わされていた訳だ...(深夜+1でもね)
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