カルカッソンヌ/ヨーロッパの歴史観・日本の歴史観 [ ? の部屋]
随分昔に、フランスのカルカッソンヌを訪れた。カルカッソンヌは、スペインに近いフランスといった位置関係で、なぜ、そんな所へ行ったのか...と聞かれても、返事に困ってしまうのだが、ヨーロッパ的なものを見たかったのだと思う。
都市といった特殊な場所ではなく、もっと一般的にヨーロッパを感じさせてくれる場所として、カルカッソンヌに行ってみたくなったのだと思う。
カルカッソンヌには、城壁に囲まれた中世の町が残されている。現在の市街地から15分ぐらい歩いただろうか....川のむこうの小高い丘に、石の壁で囲まれた、夢のようなお城が見えてくる。
その石の壁は、近付くにつれ、ディティールを表し、現実のものとなる。ある部分は崩れ、ある部分は積み直され、それらが歴史の一部であることを否応なく伝えてくる。積み上げられた石の一つひとつが、歴史を語るものであると分かってくると、訪れた人は、その一つひとつの石を、直に触れなければならないような、義務感めいたものを感じるかもしれない。
石の積み方は、様々である。戦争によって崩れ、急いで積み直した部分は荒い。その時の城壁内の慌てた様子を想像することもできたりする。
歴史の教科書に書かれていることは、本当に一部のことなんだと実感する。
言葉や文字で伝えられないことを、そこではその城壁が伝えてくれている。そして人々は、それらを見て、歴史を学んでいく。こういった歴史を学ぶ場が、今の日本の何処にあるのだろうか...と考えたりもする。一般的に、日本では歴史感覚が育ちにくいのかもしれない...だとするなら、モダニズムもポストモダニズムも、本当の意味で理解されていないのかもしれない...。
カルカッソンヌの城壁の内側では、いまだに数千人の人が生活をしているそうだ。
カルカッソンヌ:フランス最南部、ピレネー山脈のふもとの中世の城西都市。ローマ時代からの交通の要所。17世紀まではスペインとの国境があり、地中海と大西洋の中継点でもあったためローマの征服、ゲルマン、サラセンの占領など、さまざまな人種の行き交う場であった。
■カルカッソンヌのオフィシャルサイト:地図もある
■南仏格安ツアー:カルカッソンヌに行きたくなってしまったら
■ガイド本など
フランス 2005~2006年版 地球の歩き方 ガイドブック
- 作者: 地球の歩き方編集室
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド・ビッグ社
- 発売日: 2004/11
- メディア: 単行本
南仏プロヴァンスとコート・ダジュール&モナコ〈2004~2005年版〉
- 作者:
- 出版社/メーカー: ダイヤモンドビッグ社
- 発売日: 2004/06
- メディア: 単行本
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