y=f(x)...そして機能主義 [ ? の部屋]
以前、哲学の先生と話をしている時、突然「y=f(x)の「f」は、人間にとって、いったい何を指しているのでしょう?」なんていう話になりました。恥ずかしいことですが、私には見当もつかず、「f」が「function」であるということも、その時知ったわけです。
「function」には、「機能、働き、作用、職能、職務、関数、写像、儀式、祝典、行事」といった意味があり、建築やデザインの世界で、「機能的」とか「機能主義」といった場合にも、使われる言葉です。
「機能主義(functionalism)」なんて、「本当に上手く名前をつけたな」って感心してしまいますよね。
「y」を空間なり、形態なりに置き換えたとして、「x」は...人ということで、よいでしょうか? じゃあ、「f」は?...いろいろな関数をあてはめることができるとして...様々な予条件???...でも、それが「機能」なの? なんて...
シカゴで近代建築をはじめた、L・H・サリヴァンは「形態は機能に従う」と言いきってます。
近代は、否が応でも、それ以前の時代とは、全く異なった時代になってしまいました(科学、医学、交通、機械、寿命、生産能力、経済規模、政治、戦争...)。そうした変化に対応していくために、それまでの経験から生み出されてきた歴史様式では間に合いませんよね。これを否定して、そのかわりとなる、時代にあった新しいシステムが必要となっていたのです。そして、知性の時代に突入したこの時代、機能主義というシステムが最も相応しいシステムに思えたのです。
バウハウスの初代校長、ワルター・グロピウスは、インターナショナル・スタイルを提唱していました。普遍性を背景にしている機能主義(なにしろ関数だから...)は、国境を越えて、世界的に理解を得やすい共通システムとなっていきます。だから、ル・コルビュジエもミースもグロピウスも、疑うことなく、世界中に機能主義的建築を設計していくことができたのでしょう。
誰にでもわかる20世紀建築の3大巨匠—ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエ、F.L.ライト
- 作者:
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2002/11
- メディア: 大型本
ミース・ファン・デル・ローエの戦場—その時代と建築をめぐって
- 作者: 田中 純
- 出版社/メーカー: 彰国社
- 発売日: 2000/09
- メディア: 単行本
建築本、ブームみたいですね。上記の本、本屋に行くのが
楽しみです。コルビュジュエは、歴史的装飾から必死に抜け出そうと
したようですが、まだアールデコの走りのような時期で、今から見ると
相当装飾的な印象です。
検索していたら、ペリアンが日本に来ていたとのサイトがありました。
このおばさん、ちょっといいですよね。
http://www.ic-net.or.jp/home/shinjo/yukisatopages/history/settyou-perian.htm
by hako (2005-06-11 05:58)
hakoさん、いつもありがとうございます。
紹介してもらった「雪の里情報館」のサイトすばらしいですね。
柳宗悦に河井寛次郎、それに今和次郎、そこにペリアン。
新庄という町のエネルギーが渦巻いていた時代を感じます。
民芸とペリアンの結びつきが面白いですね。
コルビュジュエもペリアンも、時代を生きていたんですね。
by room7 (2005-06-11 11:52)
catwalkさん、nice! をありがとうございます。
by room7 (2008-11-29 00:31)