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柳原義達/風の中の鴉 [ アートの部屋]

私が最初に、柳原義達の彫刻にであったのは、今は移転してしまいましたが、以前大阪の万博公園にあった、国立国際美術館の「鳩」の彫刻だったと思います。この時の印象は、「芝生に埋もれかけていて、なんともあるがままだな〜」というもので、同じコーナーにあったヘンリー・ムーアやジャコモ・マンズー、「長崎26殉教者記念像」を見た後だったので舟越保武、それにもっと現代の作家の方に目がいっていました(でも、今でも情景を思い起こせるのですから...ね〜)。

強く印象に残ったのは、自宅の近くの美術館に収蔵されていた「鴉」の方でした。タイトルは「風の中の鴉」(このシリーズも多く製作されているので、近くの美術館等で見ることができるのではないでしょうか。写真は宇部市のものをお借りしました)。吹いてくる風を正面から受け止め、身を捩りながら、力強く岩をつかんでいる姿は、何か共感できるもを感じました。その小さな体の力の流れを解明したくて近づき、周辺の空間に及ぼす重量を見るために離れ、何時間も飽きずに眺めていたことを覚えています。

先日、blogで、仙台の 岩出山町の城山公園(伊達政宗が仙台の青葉城に移るまで12年間居住した城跡)の伊達政宗像を柳原義達が製作していることを知り、急に懐かしくなって、この文章を書いています。この像はコンクリート製で、昭和27年という、戦後の物資の乏しい時期に、仙台の人たちがお金を出し合って、地元の誇りを守ろうとした姿を勝手に想像してます。そして、その心意気を感じ、応えた柳原の姿勢も...勝手に想像しています。

■仙台の伊達政宗像についてのblog
http://blog.goo.ne.jp/wistaria-fairy/e/84bbe2adef8e01f22ec463786ae4f1ce

三重県立美術館 柳原義達記念館 2003年11月1日開館

柳原義達 略歴
1910 兵庫県神戸市に生まれる
1936 東京美術学校彫刻科を卒業
1937 国画会彫刻部同人となる
1939 新制作派協会彫塑部創立に参加、会員となる
1951 サンパウロ・ビエンナーレ展出品
1952 渡仏 グランド・ショミエールでエミール・オリコストに学ぶ
1957 帰国 第4回日本国際美術展 集団58野外彫刻展(神奈川県立近代美術館)
1958 第3回現代日本美術展優秀賞受賞 第1回高村光太郎賞受賞
1960 第30回ベネチア・ビエンナーレ展出品
1965 第1回現代日本彫刻展出品
1967 第9回アントワープ国際彫刻展
1970 兵庫県立近代美術館賞を受賞 日本大学芸術学科主任教授となる('80まで)
1973 第1回長野市野外彫刻賞受賞
1974 第5回中原悌二郎大賞を受賞 第2回現代彫刻20展
1981 神戸ポートピアにて「彫刻にみる柳原義達展」開催 講談社より作品集刊行
1983 柳原義達展(神奈川県立近代美術館)
1986 第10回長谷川仁記念賞受賞
1987 柳原義達展(高島屋美術部80周年記念)開催
1993 東京・京都国立近代美術館にて柳原義達展開催
1996 文化功労者顕彰
1998 東京国立近代美術館にて特集展示
2004 11月、94歳で死去。

つい最近亡くなったんですね....

孤独なる彫刻—柳原義達美術論集

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  • 作者: 柳原 義達
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1985/04
  • メディア: 単行本


柳原義達作品集

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