ドアーズ/The end...何かが終わった... [ 音楽の部屋]
ドアーズを最初に聞いたのは、多分、フランシス・コッポラの「地獄の黙示録」に使われていた「The end(ジ・エンド)」。ジェットヘリの攻撃シーンのワーグナーの「ワルキューレ」も有名だけど、映画としての全体のテーマは「The end」によって表現されていると思う。
ドアーズは、1965年にカリフォルニア州ロサンゼルスのUCLA映画科の学生であったジム・モリスン(Jim Morrison:ボーカル)とレイ・マンザレク(Ray Manzarek:キーボード)が結成。ロサンゼルスのロンドン・フォッグやウィスキー・ア・ゴー・ゴーなどでステージ活動を行い、1967年1月にエレクトラ・レコードから、ステージの楽曲を中心に「The end(ジ・エンド)」を含むデビューアルバム、『ザ・ドアーズ』をリリースする。他のメンバーに、ジョン・デンズモア(ドラム)、ロビー・クリーガー(ギター)。
バンド名は、18世紀の詩人ウィリアム・ブレークの詩の一節の『知覚の扉』から付けたと言われている。
「If the doors of perception were cleansed, everything would appear to man as it truly is, infinite.(もし知覚の扉が浄化されるならば、全ての物は人間にとってありのままに現れ、無限に見える。)」
熱狂的なステージを続けながら、ヒット曲を生み続けていたが、1969年3月1日のフロリダ州マイアミでのコンサートで、モリスンがステージ上で性器を露出したことで逮捕され、裁判に1年半の時間が費やされる。
休養のためパリに移住したモリスンは、1971年7月3日にパリのアパートで致死量のヘロインを注射したことで死亡。ドアーズの残りのメンバーは活動を継続したが、商業的に失敗し、モリスン抜きではドアーズの存続は不可能と考えバンドは解散。
実質、1966年から1969年までの短い活動期間は、カルフォルニアの狂気の季節と重なっている。この時代のカルフォルニアを体験している訳ではないので、資料や人の話などから想像をするしかないのだが、人々が「自分を信じ、人生を目一杯生きることを恐れなかった時代」という印象を受ける。今でもこの時代のことが語られ、この時代の音楽が聴かれるのも、この時代に対する憧憬なのかもしれない。
ジム・モリソン(Jim Morrison)1943年12月8日 フロリダ州メルボルン 生まれ
フランシス・F・コッポラ (Francis F. Coppola)1939年4月7日 ミシガン州デトロイト 生まれ。1979年「地獄の黙示録」でカンヌ映画祭グランプリを獲得。
ベトナム戦争を、同時代的に描くには、ドアーズは不可欠だったのかもしれない。
オリバー・ストーン(Oliver Stone)1946年9月15日 -ニューヨーク生まれ。『プラトーン』、『7月4日に生まれて』の2作品でアカデミー監督賞を2度受賞。他の代表作に『JFK』『ニクソン』『天と地』など。ベトナム戦争帰還兵であり、ベトナム戦争とそれが人間に与えた影響を描いた作品が多い。映画「ドアーズ The Doors」を1991年に発表している。
ドアーズの曲は、それだけで聴いても素晴らしい。だが、同時代の映像と重ねあわせて聞いていると、ドアーズというバンドが存在した時代について考え、ちょっと大げさに言うと、人類としての意味を考えることになるのかも知れない。
熱を帯びた60年代。The end...何かが終わった...。
今日7月3日は、ジム・モリソンの34回忌。
■ドアーズのアルバム(ジム・モリソン在籍時)
■ドアーズの本
■ドアーズ関連の映像
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