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小原村の和紙/トライ&エラーと奇跡の関係 [  ? の部屋]

 当たり前の話だが、私たちが日々使っている物や道具には、それが現在のスタイルになるまでに、膨大な時が費やされている。

 和紙も同様で、改めて考えてみると、「限られた種類の草木の皮の部分だけを使って、細かな繊維を取出し、繋ぎの役割をする草と一緒に水に入れ、漉かして1枚の紙にする。」という一連の工程が、今のようなスタイルになるまでに、膨大なトライ&エラーが繰り返されているはずだ。

 最近は、こうしたトライ&エラーが無いまま、登場してきているものが多い...というよりは、できるだけエラーしないようにしているように思える。

 和紙作家の方の話を聞くと、和紙づくりのトライ&エラーは、いまだ継続しているようだ。現在試みられている、土を含んだ和紙(土紙)を製作するため、原料の種類はもちろん、漉く回数、土の種類、土の粒子、土の入れ方、その後の作業など、複合的な試みがなされ、さらなる技術が蓄積されている。和紙製作は、人の手の加わる部分が多く、多様な方向へのトライが可能となっている。

 作家の方の話を聞いた部屋に張られていた土紙は、父上の代に張られて、すでに数十年の時を経ているのだが、美しく魅力的だ。数百年、数千年の間、トライ&エラーを繰り返しながらゆっくりと形成されてきた技術というものは、できるだけエラーしないように形成されてきた技術にはない、こうした奇跡を見せてくれるものだと思った。
 
 現在も続けられているトライ&エラーも目にして、将来現れるであろう奇跡を見てみたくなった。


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