ダンサー・イン・ザ・ダーク vs サウンド・オブ・ミュージック [ 映画の部屋]
(これは、以前別のblogで発表した物です)
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は、"いわゆるミュージカル映画"に対する挑戦という側面もあり、その代表として「サウンド・オブ・ミュージック」を取り上げている。監督は、劇中、ビョークの男友達に「ミュージカルは好きではない」と語らせている。その反面、処刑を待つビョークに「サウンド・オブ・ミュージック」の曲を歌わせている。監督のミュージカル映画に対する野心みたいなものが感じられる。
ミュージカルと映画の関係を新しく組み直すことで、映画としての可能性を広げたという意味で、評価できる作品なのかもしれない。
もともとビョークは、「サウンド・オブ・ミュージック」のヒロイン、マリアに似ているのかもしれない....と、今ふと思った。マリアの方が、ずっと幼い感じはするが、明るく無邪気に困難に立ち向かう様子など、同質のものを感じたりする。ただ、ビョークには、病気があり、それが子供に遺伝していた...という違いがあった...。それの違いを運命とするなら、運命の残酷な面がこの話のベースとなっている。そして、運命をどうとらえ、受け止めていくのか...自分なりに受け止めきれた時、あらゆる失望感の中に希望を感じることができるのだろう...。この監督は、そんなことを言いたかったのだろうか?
サウンド・オブ・ミュージックとダンサー・イン・ザ・ダークは、人間の運命について、その表面と裏面の関係を示しているようにも思える。
#映画の部屋
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