飛ぶ教室/トミー・ヴィガント&ウッシー・ライヒ&ペーター・ツェンク&...エーリヒ・ケストナー [ 映画の部屋]
子供と見る映画、第2弾?
映画「飛ぶ教室」は、ドイツの児童文学者エーリヒ・ケストナーの原作を現代風にアレンジして映画化したもの。中学校の寮の同じ部屋で生活する5人の少年が、隠れ家の地下室で見つけた古い演劇の台本「飛ぶ教室」を上演し、クリスマスの休暇を迎えるまでを描く。
原作と異なり、現代のドイツ(2003年の作品)を舞台としているため、バンドやラップが登場し、東西ドイツの問題を扱うなど、わりに身近に受け止めることができる。とはいえ、「人生にとって最も大切なものは友情」と言い切ってしまうところは、ケストナーのコンセプトのまま。
登場人物の家族関係が複雑なところも、あっさり語られていていさぎよい。また、登場する教育者の、子供達に対する眼差しが曇りなく優しいところもホッとさせられる。(現実の社会の有り様としても、映像の世界にしても、日本とはえらい違いダナ...こうありたいし、こういう描き方をすればいいんじゃないか?)
プロデューサーは、エーリヒ・ケストナーの映画化でおなじみの、ウッシー・ライヒ&ペーター・ツェンク。過去に3本のケストナーの著作を映画化している。(「ふたりのロッテ(1993年)」「点子ちゃんとアントン(1999年)」「エーミールと探偵たち(2001年)」)。トミー・ヴィガントは、これが監督2作目。
◆「飛ぶ教室」のオフィシャルサイト
http://www.mediasuits.co.jp/tobu/
また、エーリヒ・ケストナー(Erich Kästner/1899.2.23〜1974.7.29)は、個人の自由という立場から、亡命をせず、最後までナチスに抵抗し続けたことでも有名。ナチスによって自分の著作が焚書の対象となった際にはわざわざ自分の本が焼かれるところを見物しにいったという。
なるほど、この人だったら、いさぎよく言い切ってしまえるだろう。数少ない信頼できる小説。
◆エーリヒ・ケストナー原作の映画
点子ちゃんとアントン スペシャル・コレクターズ・エディション
- 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: DVD
◆エーリヒ・ケストナーの著作
#映画の部屋
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