ルソーの見た夢、ルソーの見る夢 -ルソー、素朴派と日本- [ アートの部屋]
「ルソーの見た夢、ルソーの見る夢 -ルソー、素朴派と日本-」(愛知県美術館)
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/index.html
長いタイトルだ...長いのには訳がある...と思う..多分...ルソーの絵は展示作品全体の1/3もないのではないだろうか...。半分は日本の作家の絵のような気もする(資料が無いので正確には把握できていないのだが)。これでは「ルソー展」というのは、チョット辛いかもしれない。
とはいえ、アンリ・ルソー(Henri Rousseau/1844〜1910)の絵は素朴ではない。(素朴派というのは、正式の美術教育を受けないで、画家を職業とすることなく、絵画を制作している人たちの事を意味している。現在の画家にとっても、画家を職業としている人は結構少ないと思うのだが...それは、日本だけ?)
アンリ・ルソーの画面は巧妙に再構築され、彼の心象を分かりやすく表現している。アンドレ・ボーシャン(Andre Bauchant/1873〜1958)やルイ・ヴィヴァン(Louis Vivin/1861〜1936)などの他の素朴派の作品に出会えた事も興味深かった。(2人の子供は、それぞれこの2人の作家の方を気に入ったようだった)
また、ルソーに影響を受けた日本の作家として、松本竣介(1912〜1948)の「立てる像(1942年)」が展示されていた事も意外だった。松本竣介のこの作品に関しては、洲之内 徹(すのうち とおる/1913〜1987)の「絵の中の散歩」だったか「気まぐれ美術館」あたりで読んでいたので、素朴派云々よりも、別の意味で感慨深かった。(子供は一番気に入っていたようだが...)
(そういえば、「立てる像」の背景も松本竣介のイメージの中から再構築されている。)
有元利夫や横尾忠則の作品もあり、代表作の展示は少ないものの、多角的にアンリ・ルソーを捉えようとする試みはアイデア賞なのかもしれないな。
Andre Bauchant: Catalogue Raisonne
- 作者:
- 出版社/メーカー: Benteli Verlags Ag
- 発売日: 2008/02/15
- メディア: ハードカバー
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