木下順二...群読のチカラ [ 人の部屋/しりとり]
◆人名しりとり...き
木下順二(きのした じゅんじ/1914.8.2〜2006.10.30)東京都生まれ熊本育ちの劇作家・戯曲作家。代表作「夕鶴」「子午線の祀り」など。
随分と昔に、「子午線の祀り」を見ている。「夕鶴」の山本安英を中心に、野村万作(狂言)、観世栄夫(能) 、嵐圭史(歌舞伎)、演出:宇野重吉(新劇)、音楽:武満徹 というそうそうたる...異種格闘技戦であった。
そうした魅力をいっそう引き立てていたのが、「群読」という手法であった。「群読」とは、舞台背後の中央・両脇に用意されたひな壇に、十数人が起ち、「台詞を読む」といったことなのだが...スタイルとしては合唱のようでもあるが、声の高さは様々で、節を無くしたお経のようでもある。
舞台に立った演者に呼応するように、分厚い壁のような(波のような)声が被さってくる。それは、主観の声に対する客観の声(天地の運行によって定められた運命の声)のようであり、それらが交錯しながら、観客である私を取巻いていく...というとても不思議なものだった。
それで私は、その後「夕鶴」を観る機会はあったのだけれど、遂に観ることはなかった。
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木下順二(きのした じゅんじ/1914.8.2〜2006.10.30)東京都生まれ熊本育ちの劇作家・戯曲作家。代表作「夕鶴」「子午線の祀り」など。
随分と昔に、「子午線の祀り」を見ている。「夕鶴」の山本安英を中心に、野村万作(狂言)、観世栄夫(能) 、嵐圭史(歌舞伎)、演出:宇野重吉(新劇)、音楽:武満徹 というそうそうたる...異種格闘技戦であった。
そうした魅力をいっそう引き立てていたのが、「群読」という手法であった。「群読」とは、舞台背後の中央・両脇に用意されたひな壇に、十数人が起ち、「台詞を読む」といったことなのだが...スタイルとしては合唱のようでもあるが、声の高さは様々で、節を無くしたお経のようでもある。
舞台に立った演者に呼応するように、分厚い壁のような(波のような)声が被さってくる。それは、主観の声に対する客観の声(天地の運行によって定められた運命の声)のようであり、それらが交錯しながら、観客である私を取巻いていく...というとても不思議なものだった。
それで私は、その後「夕鶴」を観る機会はあったのだけれど、遂に観ることはなかった。
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takagakiさん、nice!をありがとうございます。
by room7 (2008-04-10 08:53)