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落下の王国/ターセム [ 映画の部屋]

The Fall/Tarsem
TheFall.jpg

これほど美しい映画があったろうか?
物が語られる時、美しさは必要だ。頑な人の心が動く可能性は...美しさにかかっている。

この物語には、美しいものが2つある。

1つは、もちろんあの景色。世界遺産に5色の勇者(ゴレンジャーのような活躍ぶりだ:衣装は石岡瑛子)のコントラストも見事だ。これは実写だ。CGではない。生の風景は、コンピュータ上の人間の想像力をはるかに越える。

優れた作品を成立させるためには、センスだけではなく、目的に到達するまでに掛ける忍耐力(時間など...)が必要であることを...そういえば...エジソンが言っていた。

人が実際に立っているそんな風景を、様々な角度から動的に見せられると、こちらの意識は画面に落ちていきそうになる。勇者たちと共に、何度も落ちた。

砂漠の中の光景が印象的だ。
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そして、この美しい王国に入れるのは、絶望の縁にいる青年と小さな女の子の二人だけだ。他のどんな登場人物も入ることはできない。

この2人の共通点は何なんだろうか。可愛い少女は誰からも愛されている(ように見える)。もう一方は、愛を失った若者。2人の共通点は?

それはもちろん、空想する能力なのだろう。普通の人が思いもつかない、とんでもないことを口にできる能力...この能力は、困難な現実をも越えていける能力なのだと...信じたい。ターセムもそれを信じているから(途中迷ったかもしれないが)、ああしたラストに収まったのだと思う。

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もう1つの美しいものは、言うまでもなく女の子の笑顔だ。これがなければ始まらない。

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◆「落下の王国(The Fall)」公式サイト
http://www.rakka-movie.com/
(写真:[コピーライト]2006 Googly Films, LLC. ALL Rights Reserved.)

◆映画の解説
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD13112/index.html
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/19803/
http://cinematoday.jp/movie/T0006496

TheFall07.jpgTheFall06.jpg


◆予告編


Tarsem.jpgターセム(Tarsem Singh Dhandwar/1961. 5.26? )インド出身の映画監督、フィルムディレクター。ミュージック・ビデオやコマーシャル・フィルムで実績を持つ。

インドの Bishop Cotton School出身。アメリカ・カリフォルニアのアート・センター・オブ・カレッジを卒業後、ミュージックビデオやコマーシャル・フィルムの世界で活躍し、2000年にジェニファー・ロペス主演の映画「セル(The Cell)」で、映画監督としてデビューしている。

2本目の映画となるこの映画、「落下の王国」は、2006年トロント国際映画祭で発表されている。

このNIKEのコマーシャルもターセムの作品


R.E.M.のLosing My Religion。これも


「落下の王国」では、この完成度が、 118分間続く。

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ザ・フォール/落下の王国 特別版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
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ザ・フォール/落下の王国 [Blu-ray]

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The Fall

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Ingram Entertain(Virtual)
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: -


◆とても印象的なベートーヴェンのBGM...第7番
Beethoven: Symphonien Nos. 5 & 7 / Kleiber, Vienna Philharmonic Orchestra

Beethoven: Symphonien Nos. 5 & 7 / Kleiber, Vienna Philharmonic Orchestra

  • アーティスト: Ludwig van Beethoven,Carlos Kleiber,Vienna Philharmonic Orchestra
  • 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
  • 発売日: 1996/01/23
  • メディア: CD


◆衣装を担当した石岡瑛子の本
石岡瑛子 ggg Books 68(スリージーブックス 世界のグラフィックデザインシリーズ68)

石岡瑛子 ggg Books 68(スリージーブックス 世界のグラフィックデザインシリーズ68)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ギンザグラフィックギャラリー
  • 発売日: 2005/08
  • メディア: 単行本

私 デザイン

私 デザイン

  • 作者: 石岡 瑛子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/08/31
  • メディア: 単行本


#映画の部屋
nice!(7)  コメント(9) 
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コメント 9

藤娘

こんにちは
素敵な映像の映画のようですね。映画館の大きな画面で見てみたい映画です。
公式サイトを見てきましたが、宮城県内での上映が無いようで残念です。
by 藤娘 (2008-11-10 15:09) 

whitered

「落下の王国」観に行かれましたか。本当に美しい映画でしたね。おとぎ話の世界と現実の世界が見事に交差していましたね。
by whitered (2008-11-10 16:39) 

room7

藤娘さん、nice! とコメントをありがとうございます。私がこの映画に関して残念なことを一点上げるとするならば、「なぜもっと話題にならないのだろうか?」ということです。配給のされ方にも問題があるのかもしれませんが...。ただ、それだけに、”話題先行”といった惨い目には遭わなくてすみそうですが。そうだとするなら、このやり方に納得します。

whiteredさん、nice! とコメントをありがとうございます。ええ、素晴らしい映像の世界だと思います(映像だけではないか)。私としては、21世紀の最初の10年を代表する(時代性を含めて)映像だと感じています。

mwainfoさん、xml_xslさん、nice! をありがとうございます。


by room7 (2008-11-10 23:15) 

ken

歴史上、これ以上美しい映画は知りません。
by ken (2008-11-11 03:17) 

room7

kenさん、nice! とコメントありがとうございます。本当に美しいですね。
by room7 (2008-11-11 07:51) 

かものはし

うわぁ~。初めて知りました。。
しかも、「The Cell」も同じ監督なのですね~。
ジェニファー・ロペスのイメージしかなかったので、
そちらもチェックしてみたいです。
by かものはし (2008-11-11 15:24) 

room7

かものはしさん、nice! とコメントをありがとうございます。簡単に済ますことがない能力を才能というのでしょうか。
by room7 (2008-11-12 06:05) 

ももこ

あぁ、みそびれた。くやしい。
DVDだと美しさが半減しちゃうからなぁ・・・


by ももこ (2008-11-12 22:23) 

room7

ももこさん、nice! とコメントをありがとうございます。私も、もう一度見たいです。
by room7 (2008-11-13 07:08) 

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