ライオネル・ファイニンガー展 [ アートの部屋]
愛知県美術館で開催中のライオネル・ファイニンガー展を見てきた。
ファイニンガーは、ドイツ表現主義の流れをもつ「青騎士」の一員であり、キュビズムの作品を残し、バウハウスのマイスターであり、アメリカの新聞「シカゴ・トリビューン」に漫画を描いていた人物である。
私の場合、ファイニンガーというと、グロピウスが制作したバウハウスの学生募集のチラシの挿絵を真っ先に思い出してしまう。
戦火にさらされ、壊滅状態のドイツを、デザインを含めた産業の力で回復させようとしたグロピウスとファイニンガーの思いが、強く感じられるチラシで、今回の展示会でも、元になった版画が展示されていた。
◆そこら辺りの記事はこちら
http://room7.blog.so-net.ne.jp/2008-03-03
そのことで、ファイニンガーがアメリカ生まれで、ドイツに渡ってからアメリカの新聞社に漫画を描いていた...ということを、結構新鮮に受け止めることができました。
ドイツに渡ったのは16歳の時のようです。漫画の収入によって自立できた彼は、絵画の世界に入っていきます。
グロピウスとの出会いなどは紹介されていませんでしたが、グロピウスは1883年生まれで、1919年のバウハウス設立時に26歳であり、1871年生まれのファイニンガーは48歳で、20歳以上離れていたことになります。
この時期には、漫画家として成功し、絵画でもファイニンガー的な作風が確立されています。世間を知り、単身、デザインの世界を切り開いてきたファイニンガーは、バウハウスの理想と現実を結びつける役割を担っていたのではなかろうか...と勝手に思っています。
それはともかく...
ライオネル・ファイニンガーの絵画を揃ってみることができたのは、とても有意義なことでした。
ライオネル・ファイニンガーは、多才な人だったと思います。その一方で、人物でも静物でもなく、「村」や「家」の風景を描き続けてきたことは、彼の「故郷」という「場」に固執した特別な思いを感じました。
1930年代に、ドイツからアメリカに亡命する時に、彼の「ドイツ」を絵画に凝縮させ、持っていこうとした作品が数点展示されていましたが、その思いが十分に伝わるものだと感じました。
ファイニンガーの作品が、一つの完成を向かえたと(私が)思う、1920年代後半の作品。
ユダヤ系の妻を持つファイニンガーは、アメリカに亡命します。その直前に描かれた「ドイツ」を思った作品。
ライオネル・ファイニンガー(リオネル・ファイニンガー/Lyonel Feininger/1871.7.17〜1956.1.11)アメリカ生まれのドイツ系アーティスト、漫画家、教師。ドイツ、アメリカで活躍。(写真:http://www.siris.si.edu/)
◆ライオネル・ファイニンガーの作品リンク
http://www.artcyclopedia.com/artists/feininger_lyonel.html
◆一気にライオネル・ファイニンガーの作品を見てみる
■ 目次 ■ メインサイト ■ ゲストブック ■ コメントで触れた、ライオネル・ファイニンガーの作った木の玩具。下の写真より、もっとたくさん集められて展示されています。想像を膨らませてしまう、味のある作品です。
◆愛知県美術館のサイト
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/
◆ライオネル・ファイニンガー展のサイト
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/index.html
12月23日までの開催です。
ファイニンガーは、ドイツ表現主義の流れをもつ「青騎士」の一員であり、キュビズムの作品を残し、バウハウスのマイスターであり、アメリカの新聞「シカゴ・トリビューン」に漫画を描いていた人物である。
私の場合、ファイニンガーというと、グロピウスが制作したバウハウスの学生募集のチラシの挿絵を真っ先に思い出してしまう。
戦火にさらされ、壊滅状態のドイツを、デザインを含めた産業の力で回復させようとしたグロピウスとファイニンガーの思いが、強く感じられるチラシで、今回の展示会でも、元になった版画が展示されていた。
◆そこら辺りの記事はこちら
http://room7.blog.so-net.ne.jp/2008-03-03
そのことで、ファイニンガーがアメリカ生まれで、ドイツに渡ってからアメリカの新聞社に漫画を描いていた...ということを、結構新鮮に受け止めることができました。
ドイツに渡ったのは16歳の時のようです。漫画の収入によって自立できた彼は、絵画の世界に入っていきます。
グロピウスとの出会いなどは紹介されていませんでしたが、グロピウスは1883年生まれで、1919年のバウハウス設立時に26歳であり、1871年生まれのファイニンガーは48歳で、20歳以上離れていたことになります。
この時期には、漫画家として成功し、絵画でもファイニンガー的な作風が確立されています。世間を知り、単身、デザインの世界を切り開いてきたファイニンガーは、バウハウスの理想と現実を結びつける役割を担っていたのではなかろうか...と勝手に思っています。
それはともかく...
ライオネル・ファイニンガーの絵画を揃ってみることができたのは、とても有意義なことでした。
ライオネル・ファイニンガーは、多才な人だったと思います。その一方で、人物でも静物でもなく、「村」や「家」の風景を描き続けてきたことは、彼の「故郷」という「場」に固執した特別な思いを感じました。
1930年代に、ドイツからアメリカに亡命する時に、彼の「ドイツ」を絵画に凝縮させ、持っていこうとした作品が数点展示されていましたが、その思いが十分に伝わるものだと感じました。
ファイニンガーの作品が、一つの完成を向かえたと(私が)思う、1920年代後半の作品。
ユダヤ系の妻を持つファイニンガーは、アメリカに亡命します。その直前に描かれた「ドイツ」を思った作品。
ライオネル・ファイニンガー(リオネル・ファイニンガー/Lyonel Feininger/1871.7.17〜1956.1.11)アメリカ生まれのドイツ系アーティスト、漫画家、教師。ドイツ、アメリカで活躍。(写真:http://www.siris.si.edu/)
◆ライオネル・ファイニンガーの作品リンク
http://www.artcyclopedia.com/artists/feininger_lyonel.html
◆一気にライオネル・ファイニンガーの作品を見てみる
Lyonel Feininger: The Loebermann Collection: Drawings/ Watercolors/ Prints
- 作者:
- 出版社/メーカー: Prestel Pub
- 発売日: 2007/02/28
- メディア: ハードカバー
Lyonel Feininger (Art & Design)
- 作者: Ulrich Luckhardt
- 出版社/メーカー: Prestel Pub
- 発売日: 1990/01
- メディア: ハードカバー
The Comic Strip Art of Lyonel Feininger
- 作者: Lyonel Feininger
- 出版社/メーカー: Kitchen Sink Pr (Nrt)
- 発売日: 1994/09/01
- メディア: ペーパーバック
◆愛知県美術館のサイト
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/
◆ライオネル・ファイニンガー展のサイト
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/index.html
12月23日までの開催です。
ぬくもりの感じられる、素敵な絵ですね。
トリビューン紙、経営破綻してしまいましたね。ショック!
by 江戸うっどスキー (2008-12-11 21:40)
江戸うっどスキーさん、ありがとうございます。他にも、自分の子供のためにつくった木の玩具も展示されていました。見に行ってよかったです。
by room7 (2008-12-13 07:51)