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鶴舞公園噴水塔/鈴木禎次 [ デザインの部屋]

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鶴舞公園は、1910年(明治43年)に開催された、第10回関西府県連合共進会の会場として、当時湿地帯であった場所を埋め立てて整備された。
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「会場となった鶴舞公園は、近世フランス式回遊の設計に加え、松尾宗五と村瀬玄中による日本庭園を加えた、和洋折衷になっている。

 また公園内の奏楽堂と噴水塔は、当時、新進気鋭の名古屋高等工業学校教授・鈴木貞二の設計。噴水塔は今もその原型のままである。(http://nakata.kinjo-u.ac.jp/~hantaihaku/html/documents/documents_3.html)」
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「共進会の閉幕後、公園敷地北部を県立医学専門学校(現名古屋大学医学部)などに割譲するとともに再整備が図られました。整備にあたっては、東京都日比谷公園を設計した本多静六氏を設計顧問に迎え、全体設計を鈴木禎次氏が担当しました。

共進会開催時に築造された古代ローマ様式の大理石柱と岩組みを用いた噴水塔やルネッサンス風の奏楽堂を残しながら、池泉回遊式の日本庭園の整備が行われ、公園西側の入り口から噴水塔、奏楽堂を経て日本庭園に至る幅広い園路や、噴水塔を中心とした幾何学的な花壇などを設けるなど、市民に親しまれる公園として整備が進められました。(http://www.pref.aichi.jp/0000024537.html)」
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噴水の内側は、洋風の池と和風の池の合体となっています。こちらは洋風。
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こちらは和風。とはいえ、一筋縄ではいきません。
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洋風と和風の接点は...これまたあっけないほど...ダイレクト。
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いつぞやのコンドルの諸戸邸での和洋の結合もダイレクトでしたが、それよりも、はるかに意図を感じるダイレクトさだと思いました。

和と洋ををどう結びつけるのか...夏目漱石の「三四郎」のように、当時の日本の知識人にとっては大きな課題だったのでしょうね。これも一つの解答なのでしょう...というより、開き直り? 博覧会や公園といったものには、そうした思いっきりを受け入れる包容力があるのかもしれませんね。
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SuzukiTeiji.jpg鈴木禎次(すずき ていじ/1870〜1941)名古屋を中心に活躍をした、近代の建築家。夏目漱石の義理の兄。

1870年(明治3年)静岡市に生まれる。

1896年(明治29年)帝国大学工科大学(工部大学校を改組)造家学科を卒業。大学では辰野金吾の教えを受け(ジョサイア・コンドルの孫弟子ということになる)、鉄骨構造の研究を中心とした近代の西洋建築術を身につける。

1887年(明治30年)、鉄骨構造の先駆者横河民輔の招きで三井に入社、三井銀行の技師となり、三井総本店、三井物産などの設計を手掛けた。

1902年(明治35年)、文部省から欧州への留学を命じられる。

1906年(明治39年)、帰国後、前年開校したばかりであった名古屋高等工業学校(現名古屋工業大学)の建築科長として赴任し、教鞭をとる。

1922年(大正11年)、名古屋高等工業学校を退官し、名古屋市内に設計事務所を開設、多くの近代建築を設計する。

1941年(昭和16年)、死去。

鈴木禎次の建物を見る

名古屋をつくった建築家鈴木禎次

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whitered

水が迸っているところが見たいです。和洋折衷は、その頃の国家的命題であったのですね。外側の半円はもっと違いがはっきりしているようですね。
by whitered (2009-08-06 06:54) 

room7

whiteredさん、ありがとうございます。もう少し、突っ込んで取り上げてみても面白いかもしれませんね。機会がありましたら...。

extrawayさん、takagakiさん、ももこさん、nice! をありがとうございます。
by room7 (2009-08-06 23:01) 

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