最近見た映画 その2 「トイ・ストーリー3」 [ 映画の部屋]
先週末、子供と一緒に「トイ・ストーリー3」をレンタルしてきた。
この映画、「トイ・ストーリー」の”1”や”2” に比べて、大人向きのストーリーだったように思う。
”1”・”2”は、敵対する”悪者”がはっきり分かっていて、そのことは、全体のストーリーを小さな子供にも分かりやすくしている。
主人公であるウッディとバズが、仲間と協力しながら、悪者をがやっつけていく様子は、子供でも大人でも、同じように楽しめるものでした。
でも今回の「トイ・ストーリー3」...子供と大人との間に、意見の食い違いが見られるかもしれません。
この映画を見ながら、大人は、これまでの人生を振り返ることになります。小さな頃に遊んだ玩具のことを思い出し、自分とその玩具の関係の末路を反芻することになります。
小さな子供には、まだそうした別れの経験がなかったりするので、純粋にウッディたちも応援をして見ていますが...。
玩具がどういう関係を望んでいるのか?
今、成長した私たち大人、あるいは玩具と遊ぶ(玩具を所有するのではなく)時代の過ぎ去った人にとっては、”思い当たる節のある”...内容だったと思います。
こうしたことが大人たちの目の前に飛び込んでくるのは(大人にとっての見所とも言えますが)、ウッディが、一緒に遊んできたアンディと共に余生を過ごすのではなく、あえて仲間の玩具と一緒に、玩具で遊ぶことが好きな、想像力豊かな(かつてのアンディもそうでしたが)小さな子供の家に貰われて行く選択をしたところです。そして、アンディもそのことを理解し、応えます。
これはなかなか深みのあるエンディングだと思います。ジョン・ラセターは、表面的なハッピーエンドの結末ではなく、深く考え抜かれた結末を用意したと思います。
大切な玩具を持つ経験は、誰しも経験ことじゃないでしょうか。自分が大切に遊んできた玩具をどうするのか?...
あるいは逆の立場として、自分が小さな頃ほしいと思っていた玩具を、今、オークションで購入するのか(一緒に遊ぶのではなく、所有するという理由で)...?
したがってこの映画に対する感想は、見た人の玩具や物に対する愛着の度合いによって、大きく異なってくるでしょう。
はっきりした明確な結論を持たせることだけが映画の目的ではないでしょうし、映画を見た人に、これまでの人生を振り返る切っ掛けをあたえることができたなら、それは価値のある映画であると思います。
#映画の部屋