チャールズ・ムーアの格闘 [ 人の部屋/しりとり]
ち
チャールズ・ムーア(Charles Willard Moore/1925.10.31〜1993.12.16)
今から30年ほど前、ポストモダニズムという時代があって、モダニズムの哲学によって培われてきた近代都市に、異形(もちろんモダニストにとって)とでもいうべき建物が建ち始める。そうした建築家の代表の一人がチャールズ・ムーア。
1947年にミシガン州立大学の建築科を卒業し、エンジニアとして2年間兵役についた後、プリンストン大学で建築史の博士課程をとっている。
大学で教鞭をとりながら、研究を重ね、建築空間の構成に哲学的なアプローチを試みる。これは、機能主義=モダニズム的なアプローチに対する再検証でもあった。
彼の空間は、理路整然としたモダニストのものと違って、格闘している。それは、それまでの建築では用いられなかった素材であったりサイズであったり色であったり...空間や歴史の解釈でもあったりする。記号論などという言葉も思い出される。
ポストモダニズムの建築家は、他にもいるが、そういう意味では、彼が一番格闘していたのかな...?
楽しい格闘のように見えるけど。
"ポストモダニズム"って、最近使わないな。バブルと一緒にどこかに飛んでいってしまったのだろうか。ちゃんとした検証がされず、形態だけが残っているとするならば、少々残念な気もする。
◆テレビ東京「美の巨人」。ポストモダニズムのことには触れてないのかな...?
◆チャールズ・ムーア財団のサイト。こちらの方がポストモダニズム的
- 作者: Charles Willard Moore, Gerald Allen, Donlyn Lyndon
- 出版社/メーカー: Univ of California Pr
- 発売日: 2000/02/21
- メディア: ペーパーバック
An Architectural Life: Memoirs & Memories on Charles W. Moore
- 作者: Kevin P. Keim, Charles Willard Moore
- 出版社/メーカー: Little Brown & Co (T)
- 発売日: 1996/05
- メディア: ハードカバー
◆建築写真を簡単に見てみるなら...こんな方法もあります。(関係ない写真は、かきわけて!)
◆Charles Willard Mooreでググってみる こちらの方が情報が多いか...
ムーア叔父さん、愛嬌が有って好きでした。
旅行に行くと、鞄一杯にがらくたを詰め込んで帰ってくるというエピソードを
何かで読んで、購買力もさることながら、嬉々としてがらくたを探している姿が目に浮かんで嬉しくなりました。
by hako (2006-07-23 11:08)
hakoさん、ありがとうございます。
そのエピソード、なんだか”らしいな...”という感じですね。
ムーアに対する見方が一つ増えて、嬉しいです。
by room7 (2006-07-24 10:43)