最高の映画...スルース [ 映画の部屋]
映画を見ていると、「これは最高!」と感じさせてくれる作品に出会える。もちろん、映画をどう見るかによって、「最高!」の感じは違っていて、「映画という手法による表現の可能性を広げた」という意味で最高であったり、「映画という表現によって、より多くの感性を伝えた」という意味で最高であったりするのだが、「最後に口をアングリと"最高"に開けさせた」映画...というのもあったりする。(人は、思わぬ展開に遭遇すると、本当に口が開くのだ。)
その思い出の映画が「探偵スルース」。2007年製作、近日公開(もう公開したところもあるようだが)のケネス・ブラナーが監督した「スルース」ではなく、1972年にアンソニー・シェイファーの原作・脚本を、ジョセフ・L・マンキウィッツが監督し、ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインが対決したそれである。
今回、ケネス・ブラナーは、ハロルド・ピンター(ノーベル賞作家)の脚本で、ローレンス・オリビエの役をマイケル・ケインにさせ、マイケルの役をジュード・ロウ(彼はプロデュースもしている)にさせている。なんとなく、ケネス・ブラナーの前作に対するオマージュを感じ取ることができないだろうか?(ローレンス・オリヴィエもケネス・ブラナーもシェークスピア俳優ということもあるし)
今、気づいたが、映画の上映時間(1時間29分)も揃えてきている。ケネス・ブラナーおそるべし。
基本的に原作が素晴らしいのだと思う(読んではいないが...)。そして、主演の二人、ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインが見事である。登場人物は最初から最期までこの二人しかいないのだ。この二人のやり取りが全てである...それで1時間半という時間が過ぎる(厳密には他の役者さんも出ています...ただし...)。
それでいて退屈の入り込む隙はない。この映画で私は、ローレンス・オリビエが名優であることを納得し、マイケル・ケインに注目した。その後も「サイダーハウス・ルール 」や「ウォルター少年と、夏の休日」など多数の名演を残しているが、私にとってのマイケル・ケインは、「探偵スルース」のマイケル・ケインなのだ(あっ、「ミニミニ」も...)。
そんなわけで、ケネス・ブラナーの「探偵スルース」に対しては、少し複雑な思いで期待している。...ケネス・ブラナーいいんだよね。「から騒ぎ」に「フランケンシュタイン」それに...「ハリー・ポッター」まで。引き出しの多さに感嘆する(「魔笛」はまだ見ていない...)。
さ〜、どうする?
◆「探偵スルース」
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=14343
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/21220/
◆「スルース」
公式サイト http://www.sleuth.jp/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12063/index.html
http://cinematoday.jp/movie/T0005773
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/20007/
◆作品検索
・ハロルド・ピンターの作品
・ローレンス・オリヴィエの作品
・マイケル・ケインの作品
・ケネス・ブラナーの作品
・ジョセフ・L・マンキウィッツの作品
■ハロルド・ピンター
何も起こりはしなかった―劇の言葉、政治の言葉 (集英社新書 384A)
- 作者: ハロルド・ピンター
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 新書
■ローレンス・オリヴィエ
■マイケル・ケイン
■ケネス・ブラナー
■ジョセフ・L・マンキウィッツ
#映画の部屋
takagakiさん、いつもありがとうございます。
by room7 (2008-03-18 22:38)
xml_xslさん、nice!ありがとうございます。
by room7 (2008-03-19 21:17)
室内劇といえば、「裏窓」とか「ダイヤルMを廻せ」などが、直ぐに浮かびますが、これも、面白そうですね。1972年版を観てみます。
by 江戸うっどスキー (2008-03-20 00:59)
江戸うっどスキー さん、nice!とコメントありがとうございます。今見ると、また違った感じで見ることができるのかもしれませんね...。
by room7 (2008-03-20 05:54)