運動靴と赤い金魚/マジッド・マジディ [ 映画の部屋]
図書館でビデオを借りてきて、子供と一緒に見る。
兄は買い物の途中で、不注意から妹の靴を失くし、貧しい生活の中、親にも言えず、兄の靴を2人で共有する。妹がまず靴を履いて学校にいき、帰る途中で今度は兄が履いて登校する(学校は女子は午前中だけ、男子は午後だけみたいです)。そんなある日、小学生のマラソン大会の3等の賞品が運動靴であることがわかり、兄は妹のために3等になろうと必死に走る...という物語。
主人公の少年と妹の、「子供ながらに...」の行動に、子供と二人、ハラハラしながら見ていた。
「泥の河」や「自転車泥棒」を想起させられて、結構心配しながら見ていたのだが、大事に至らずホッと胸を撫で下ろす(これはこれでいいのです)。
1997年のイランの映画ということで、当時の(市民の)様子を直感的に分からせてもくれる。先日見た「ペルセポリス」などと考え合わせながら、見ていた部分もある。
兄妹の表情がいいですね。
クライマックスは、終盤のマラソンのシーンですが、なんとなく結果が予想できてしてしまうものの...それでも子供と一緒に応援していたのは、それまでの兄妹の真摯な態度にいつの間にか共感をしていたからでしょう。
モントリオール世界映画祭でグランプリを含む4部門を受賞、1998年度第71回アカデミー外国語映画賞ノミネートされている。
このマジッド・マジディという監督は、その後、「太陽は、ぼくの瞳(1999)」「少女の髪どめ(2001)」といった作品を撮っている。予告編しか見ていないのだが、「運動靴と赤い金魚」で示した視点での制作を続けているのかな...と思える。また、ドキュメンタリーを多く手がけているようで、こうした視点もドキュメンタリーに近いものかもしれないな...などと考えたりもする。
ちなみに、「運動靴と赤い金魚」の原題は「Children of Heaven」、「太陽は、ぼくの瞳」は、「The Color Of Paradise」、「少女の髪どめ」は「Baran(少女の名前)」。なんとなく作品の方向性が感じ取れないだろうか?
日本未公開の作品として、The Song of Sparrows(2008)、The Willow Tree(2005)があるようだ。
◆マジッド・マジディ(Majid Majidi)のサイト
http://www.cinemajidi.com/
◆紹介サイト
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD31439/index.html
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/18003/
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takagakiさん、nice!をありがとうございました。
by room7 (2008-03-26 20:47)