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「引き隠り」と八百万の神 [ 住まい雑感]

「引き隠り」が社会問題になって久しくなります。外に出たがらない子供に対して、厳しい態度で臨む親が多い中、そうした子供と接するうちに、やがてある種の才能を見いだしていく親もいるようです。

引き隠る子供たちの多くは、感性豊かな子だと聞きます。豊かな感性が、情報化社会とも競争社会とも呼ばれる今の日本に対して、一種の生命に対する危機感を感じ取っているのかもしれません。

ある意味、今の日本の社会には、そういった優れた感性を受け入れるだけの、包容力が欠如しているのかもしれません。

かつての日本には、様々な価値観を受け入れるだけの、社会の多様性があったのではないでしょうか。

その昔、日本には「八百万(やおよろず)の神」が住んでいたといいます。そのことは、日本という国が多様な価値観を共存させていたことを物語っています。森には様々な神様が祭られ(トトロのように?)、神様も森の中で上手に住みわけしていてたりします。家の中にも神様は住んでいて、アチコチで見守ってくれていました。

ところが今は、明治の合祀令によって、一町村に一社が標準となり、以前の神社の1/10になってしまったらしいのです。それは考え方によっては、日本での価値観の多様性や包容力が、急速に縮小していったことを物語っているような気がします。

江戸時代までは、自分(の価値観)に合った神様に守られていた子供達が、なんか急に心細い感覚を持つようになったかもしれません。

そして今、鎮守の森が駐車場に変わり、そういった所で遊ぶ機会を失った子供達は、さらに幅の狭い価値観の世界へと、追いやられているのかもしれません。

[2002.12]


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