悪意ある子供の悪戯...譜めくりの女/ドゥニ・デルクール [ 映画の部屋]
久しぶりに映画を見ることができた。
ドゥニ・デルクール監督。「女はみんな生きている」のカトリーヌ・フロと「ある子供」のデボラ・フランソワ、世代の離れた二人の女優の見事な競演である。
2006年のセザール賞、主演女優賞(カトリーヌ・フロは見事な演技だ。本当に震えながらピアノを弾いていると思った。難しい心の移ろいをよく表現している)と音楽賞(音楽の使い方が巧みだと思う。特に始まりと終わり)にノミネート。2006年カンヌの「ある視点」部門で上映されている。
何だろう...これは...。
悪意ある子供の悪戯...と、とらえてみた。はたして計画性はあったのだろうか? 気まぐれと偶然の積み重なりが、一つの家庭の不幸を導きだした...よくあることといえば、よくあることだろう...か?
悲劇ではないが、悲劇を生む小さな種を蒔いたということ? 早い時期なら悪い芽は摘むことができる...そういったレベルの種なのだろうか。
もっと大きな悪意と計画性は、多くの映画に見いだすことができる。今、思いついたところでは、ヴィスコンティ...これは男と男だが。あるいは「恐るべき子供たち」...ほどでもない?
女の子が、真剣にピアノの練習をする子供のピアノの蓋を、偶然を装って落とす冒頭のシーンが、この映画の全体を物語っているようにも思える。それを見ていて咎めない母親も含めて...。
蓋を落とされた子供は、すんでのところで指を引き、怪我をしないですんだ。ここで怪我をするようだと、全然違ったウエイトの映画になっていくのだろう...「オーメン」とか?
ちなみに、上のポスターのシーンはない。でも、この映画の中での2人の女優のポジションをよく表しているように思う。
◆公式サイト
http://piano.cinemacafe.net/
◆解説サイト
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/19392/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12382/index.html
http://cinematoday.jp/movie/T0005881
◆監督へのインタビュー
http://movie.goo.ne.jp/contents/news/NFE200804170009/index.html
◆カトリーヌ・フロの映画
#映画の部屋
takagakiさん、nice!をありがとうございます。
by room7 (2008-05-20 21:57)