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堀口捨己...モダンと伝統 [ デザインの部屋]

堀口 捨己(ほりぐち すてみ/1895.1.6〜1984.8.18)日本の建築家。日本で分離派建築会を結成。茶室・数寄屋造りの研究をし、多くの著作を残している。

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犬山にある有楽苑(http://www.m-inuyama-h.co.jp/urakuen/index.html/写真も)。残念ながら国宝茶室の如庵は普段は見ることはできないが、織田信長の弟織田有楽斎が建てたものを、堀口捨己が犬山に移築したもの(東京の「有楽町」「数寄屋橋」といった地名は、織田有楽斎に因んでつけられたともいわれている)。

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その一方で、常滑にある常滑市陶芸研究所(http://www.city.tokoname.aichi.jp/ctg/25110010/25110010.html/写真はパンフレットから)は、1961年に建てられた”モダン”な建物で、玄関ホールの吊り階段やキャンティレバーで支える広いバルコニー、展示に呼応したトップライトの造形...それらをスマートに実現する考えられたディテールなど、愛知県が誇ることができる建物となっている。

かけ離れた存在のように思われる両者だが、実際に見てみると、とっても近しい間柄であることが見えてくる。

如庵は、二畳半台目という限られた空間を、変化に富んだ空間にするための、工夫が凝らされていて、そのためには、地板が三角形になろうが、使われない空間が生まれようが、暗くなろうが、OK! 有楽窓に有楽囲み、斜めの壁に暦の腰壁、抑制された開口...。目的の空間を作り上げるためには、あらゆる手法を成立させるのだ...ということを示している。

目的を成立させるための自由な造形は、堀口捨己や織田有楽斎のような「好き者」にしか見出すことができないものなのだろう。モダンとか伝統とか、あんまり関係ない。


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茶室研究 (堀口捨己博士著作集)

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  • 作者: 堀口 捨己
  • 出版社/メーカー: 鹿島出版会
  • 発売日: 1987/09
  • メディア: 単行本

利休の茶室 (堀口捨己博士著作集)

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  • 作者: 堀口 捨己
  • 出版社/メーカー: 鹿島出版会
  • 発売日: 1987/09
  • メディア: 単行本

堀口捨己の「日本」―空間構成による美の世界

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 彰国社
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

草庭―建物と茶の湯の研究 (筑摩叢書 107)

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  • 作者: 堀口 捨己
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1968/03
  • メディア: 単行本


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コメント 5

whitered

茶室を見るのは、大好きです。狭い空間がかぎりなく自由な精神世界を生み出すような気がしますね。古人の心に想いを重ねると良さもいっそう分かるような気がします。
by whitered (2008-10-23 09:00) 

room7

whiteredさん、nice! とコメントをありがとうございます。本当にそうですね。そうした時代に思いを馳せることも必要ですね。

xml_xslさん、nice! をありがとうございます。
by room7 (2008-10-24 10:58) 

room7

takagakiさん、nice! をありがとうございます。
by room7 (2008-11-02 21:04) 

kakasisannpo

数寄屋橋の名前の由来初めて知りました。
by kakasisannpo (2008-11-07 20:16) 

room7

kakasisannpo さん、nice! とコメントをありがとうございます。ある意味...とても自由で派手な時代だったような気がします。
by room7 (2008-11-07 23:24) 

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