ツリー・オブ・ライフ/テレンス・マリック [ 映画の部屋]
1年の間に、全く作風の変わってしまった画家がいた。
画面の中に精緻な記号を描き、見る物の反応を楽しむかのような画風が、ラフな筆致で塗り分けられた、一見空虚な物に変わっていたのだ。
彼は「さとり」のせいだと言った。
なるほど、その変化を説明するのに、これ以上ふさわしい言葉はないのかもしれない。
脳を働かせ、脳を楽しませていた絵画から、心を楽しませる絵画へ。この流れは、経験深い画家にとっては必要な変化だったのかもしれない。(ただ、年をとってからこの変化を受入れることは、素晴らしいことだと思う。)
人は、脳を働かせた方が理解しやすく(というより、”理解”のためには脳が必要なのだが)、それを求めがちなのだが、(目の前にある光景は)それが全てではないということだ。
映画の世界でも、このことに挑んでいる人たちはいる。スタンリー・キューブリックの「2001年 宇宙の旅」もそんな見方でいいのではないかと思っている。
そして今回、テレンス・マリックの「ツリー・オブ・ライフ」を見た。
彼の世界観に、見ているものを引き込んでいく、入念に用意されたオブジェクト。もちろん、万人に当てはまるものではないかもしれない。
それでも、言語を越えた共通感覚を構築するために最大限の努力をしている。(そこまでいくのか...というぐらいに)
物語としては、エディプス・コンプレックスが下敷きになっている。これも人間の根源的なテーマだ。見事だ。
内容的にも色々示唆する所があり、考えさせられた。。。
そして...気持ちよく終わってくれたことに感謝している(どのような終わり方も可能だったはずだから...)。
あと、ブラット・ピットの演技にも驚いた。それからプロデューサーとしてこの作品を扱ったことにも...
■「ツリー・オブ・ライフ」のオフィシャルサイト
http://www.movies.co.jp/tree-life/
■「ツリー・オブ・ライフ」の解説
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD18464/index.html
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/23339/
http://www.cinematoday.jp/movie/T0010170
テレンス・マリック(Terrence Malick/1943.11.300 )アメリカの映画監督・脚本家・プロデューサー。
ハーバード大学やオックスフォード大学で哲学を学び、マサチューセッツ工科大学で教える傍ら、『ニューズウィーク』誌などでジャーナリストとしても働いた。その後、アメリカ映画協会で映画技術を学び、1972年にポール・ニューマン主演『ポケット・マネー』で脚本家として映画界に入り、1973年の『地獄の逃避行』が初監督作品となった。
1978年の『天国の日々』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞したが、その後監督業から離れ、フランスで教鞭をとっていた。映画界ではいつしか「伝説の監督」と呼ばれるようになる。そして20年後にカムバック、1998年の『シン・レッド・ライン』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。2005年の『ニュー・ワールド』を経て、2011年には『ツリー・オブ・ライフ』でカンヌ映画祭パルム・ドールに輝いた。
寡作の映画監督である。また「作品がすべてを代弁する」ことを旨とするため、アカデミー賞授賞式や各種映画祭には出席しない。(http://ja.wikipedia.org/wiki/テレンス・マリック)
#映画の部屋
画面の中に精緻な記号を描き、見る物の反応を楽しむかのような画風が、ラフな筆致で塗り分けられた、一見空虚な物に変わっていたのだ。
彼は「さとり」のせいだと言った。
なるほど、その変化を説明するのに、これ以上ふさわしい言葉はないのかもしれない。
脳を働かせ、脳を楽しませていた絵画から、心を楽しませる絵画へ。この流れは、経験深い画家にとっては必要な変化だったのかもしれない。(ただ、年をとってからこの変化を受入れることは、素晴らしいことだと思う。)
人は、脳を働かせた方が理解しやすく(というより、”理解”のためには脳が必要なのだが)、それを求めがちなのだが、(目の前にある光景は)それが全てではないということだ。
映画の世界でも、このことに挑んでいる人たちはいる。スタンリー・キューブリックの「2001年 宇宙の旅」もそんな見方でいいのではないかと思っている。
そして今回、テレンス・マリックの「ツリー・オブ・ライフ」を見た。
彼の世界観に、見ているものを引き込んでいく、入念に用意されたオブジェクト。もちろん、万人に当てはまるものではないかもしれない。
それでも、言語を越えた共通感覚を構築するために最大限の努力をしている。(そこまでいくのか...というぐらいに)
物語としては、エディプス・コンプレックスが下敷きになっている。これも人間の根源的なテーマだ。見事だ。
内容的にも色々示唆する所があり、考えさせられた。。。
そして...気持ちよく終わってくれたことに感謝している(どのような終わり方も可能だったはずだから...)。
あと、ブラット・ピットの演技にも驚いた。それからプロデューサーとしてこの作品を扱ったことにも...
■「ツリー・オブ・ライフ」のオフィシャルサイト
http://www.movies.co.jp/tree-life/
■「ツリー・オブ・ライフ」の解説
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD18464/index.html
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/23339/
http://www.cinematoday.jp/movie/T0010170
テレンス・マリック(Terrence Malick/1943.11.300 )アメリカの映画監督・脚本家・プロデューサー。
ハーバード大学やオックスフォード大学で哲学を学び、マサチューセッツ工科大学で教える傍ら、『ニューズウィーク』誌などでジャーナリストとしても働いた。その後、アメリカ映画協会で映画技術を学び、1972年にポール・ニューマン主演『ポケット・マネー』で脚本家として映画界に入り、1973年の『地獄の逃避行』が初監督作品となった。
1978年の『天国の日々』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞したが、その後監督業から離れ、フランスで教鞭をとっていた。映画界ではいつしか「伝説の監督」と呼ばれるようになる。そして20年後にカムバック、1998年の『シン・レッド・ライン』でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。2005年の『ニュー・ワールド』を経て、2011年には『ツリー・オブ・ライフ』でカンヌ映画祭パルム・ドールに輝いた。
寡作の映画監督である。また「作品がすべてを代弁する」ことを旨とするため、アカデミー賞授賞式や各種映画祭には出席しない。(http://ja.wikipedia.org/wiki/テレンス・マリック)
監督作品
●地獄の逃避行 Badlands (1973)
●天国の日々 Days of Heaven (1978)
カンヌ国際映画祭監督賞受賞
●シン・レッド・ライン The Thin Red Line (1998)
ベルリン国際映画祭金熊賞受賞
●ニュー・ワールドThe New World (2005)
●ツリー・オブ・ライフ The Tree of Life (2011)
カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞
シン・レッド・ライン 【VALUE PRICE 1500円】 [DVD]
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- メディア: DVD
#映画の部屋
コメント 0