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コクリコ坂から/宮﨑 吾朗...ミッドセンチュリーへのノスタルジイと葛藤 [ 映画の部屋]

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「コクリコ坂から」...この作品に関しては、脚本を書いた父:宮崎 駿と監督をした子:宮﨑 吾朗を対に読み解いていく解説が多い。

何の先入観も持たず見ていたとしても、昭和30年代を生きる青春の一場面を懐かしく感じながらも、健気に生きる子供達を無条件で見守っている大人としての眼差しを意識せざるを得ない。

ノスタルジイが、現実からやや上方に浮き上がった感覚として身にまとわれているのに対して、大人の眼差しは、歴史的背景を伴って、リアルに迫ってくるものがある。

この2つの感覚は絡みあいながらとうとう最後まで...解決されないままに。

つまりそこには、古きよき青春時代(日本人の美しさ)を孫に語ろうとする祖父と、新しい時代へ責任を持って子供を送り出そうとしている父親の2つの影が垣間見えるように思った。

こうした語り口は、最近見た他の作品からも感じられる。「ツリー・オブ・ライフ」などはどうだろう?

全く異なるイメージを持たせる映画だけれど、舞台が1960年代(昭和30年代)といった共通の時代背景を持っている。

映画ばかりでなく、インテリアの世界でもミッドセンチュリー・モダンは受入れられ、新しい解釈がなされていたりもする。

そこには、閉塞感のある現代(といっても先進国の...)から、自由な雰囲気を醸し出していたミッドセンチュリーに対するノスタルジックな憧れと共に、右肩上がりの時代に育った前世代の価値観に対する(ささやかな?)疑問も押し込められているのではなかろうか?

■「コクリコ坂から」オフィシャルサイト
 http://kokurikozaka.jp/

■「コクリコ坂から」解説
 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD17788/
 http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/23422/
 http://www.cinematoday.jp/movie/T0009734

宮﨑 吾朗(みやざき ごろう/1967.1.21〜 )
2001年10月 - 三鷹市立アニメーション美術館館長。
2001年10月 - 株式会社マンマユート団社長。
2006年7月 - 『ゲド戦記』公開。
2008年10月 - 「堀田善衞展 スタジオジブリが描く乱世。」公開。
2011年7月 - 『コクリコ坂から』公開。
http://ja.wikipedia.org/wiki/宮崎吾朗)

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