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ついでに木造の話 [ 住まい雑感]

昨日のつづき....

こんなに、よい所ばかり(他にも軽くて、加工がしやすい...etc)なのですが、勿論欠点もあります。何だと思います?

まっ先に思い付くのは多分「燃える」ことだと思います。木材は燃えますが、実はちゃんとした太さの木材は、なかなか燃えないのです。表面は燃えますが、炭化した部分が断熱層となって、内部まで燃えないのです(細い木材はダメですよ...)。同じぐらいの燃焼温度なら、鉄骨建築物の方が、倒壊が早いです。鉄は熱に弱く、500℃で強度は半減してしまいます。だから、鉄骨建築物の場合、十分な耐火被覆が必要となります。

次に「腐る」という欠点があげられますよね。これは、ちゃんとした配慮ある工法が必要です。昔の日本建築では、腐りにくくするために、色々な工夫がされていました。

木材が最も腐りやすいのは、小口面といって、木を輪切りにした時に見える面です。この面は、木の繊維が切り裂かれ、水分を吸収しやすい状態になっているので、雨水にさらされる状態にしてはいけません。

昔の寺院などで、木材の端部が、白く塗られているのを、見かけたことがあるかと思いますが、あれは小口面に防腐剤を塗って保護しているのです。

また、小さな雨除けのような屋根を架け、木材に水が掛らないようにしているところもあります。

「腐る」ことを防ぐためには、こうした知恵が必要ですが、あと、ちゃんとしたメンテナンスも重要です。つまり家の手入れです。(「メンドクサイから、メンテナンスのいらない家がいい」と考える方が増えてきたので、木造住宅も随分様変わりしてきました)

まだ、設計者にとって重要な欠点があるのですが、そのお話は、明日することにします。

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ひきつづいて木造の話 [ 住まい雑感]

日本の湿潤な気候には、木造が良いという話を、昨日しましたが、木という素材は、他にも色々良い点があります。

まず、断熱性の高さがあげられるでしょう。素材としての熱の伝わりやすさは、熱伝導率(kcal/m・h℃)で表され、この数値の大きい方が熱を伝えやすいわけですが、木材は0.15ぐらいです。

これを他の素材と比較してみると、コンクリートが1.4、鉄(鋼)が45、アルミニウムが210です。断熱材であるグラスウールが0.05であることを考えると、も木材は、かなり優秀な断熱材といえます。

極端な例の上げ方をすれば、厚さ10cmの木材の壁と同じ断熱性能を出すために、コンクリートは93cm、鉄は3m、アルミにいたっては14mの厚さの壁を作らなければなりません。

鉄骨住宅などでは、熱を伝えやすい鉄骨部分で結露し、柱がはいっている部分だけ、壁がカビたりすることがあります。

こうした断熱性の高さが、寒い地方での木造建築を発展させました。西洋においても、北欧やカナダでは木造住宅が盛んです。ツーバイフォーなども、こんな背景から、発達していったものと考えられます。

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現在の日本風...住宅 [ 住まい雑感]

今、私達が生活している住宅は、はたして日本の建築なんだろうか...というのが、今日のお話です。

木造建築に日本瓦...一見すると、昔からの日本建築と同じように見えますが、実は全然違うんです。

まず、構造の考え方が違います。昔の木造建築は、本当の意味での軸組構造(マッチの軸を組み合わせた構造)でしたが、今は、筋交(すじかい)なるものが付いていて、柱と柱の間を、一つの壁とし、耐震性に配慮しています。そういう意味では、壁式木造のツーバイフォーやコンクリートの建築物に近い考え方といえます。

また、環境に関する考え方も違います。昔の日本建築には、気密性はなく、空気が自由に内外を行き来することで、環境をコントロールしていました。奈良東大寺の正倉院は、校倉造りという、ログハウスのような作り方をしています。雨の日や湿気の多い日は、木材が水分を吸って膨張し、木材間の隙間を塞いで、湿気の侵入を防ぎます。そして晴れると、木材が水分を放出して収縮し、木材間の隙間を開いて、乾いた空気を内に入れる仕組みになっています。天然のエアコンというわけです。おかげで、内部の収蔵物は、1000年もの間、腐敗せずに保管できたというわけです。

このように日本建築の特徴の一つは、材質の「呼吸」にあります。室を構成する木材・畳・土壁は、どれも呼吸をし、湿気を外部に放出しているわけです。

ところで、現在の木造建築は、断熱性を高めるため、気密化をはかっています。室内外間での空気のやり取りは、ほとんどありません。そのかわり、室内の環境は、エアコンや換気扇といった機械でコントロールしようというものです。

最近、畳にダニがわくといって問題視されていますが、あれは、室内から吸った湿気を放出することができないからです。昔の木造建築では、畳下の板を隙間を開けて敷いてあり、そこから湿気は逃げていたのです。

そういう意味において、昔からの和室」を現代の住宅に作ることは、できないでしょう。

「従然草」の中に、「住まいは、夏をもって宗(むね)とし...」と、夏の暑さ対策を主眼とした家づくりを薦めていますが、現代の住宅は、いったい何が「宗」なんでしょうか...いっぱいありそうですね...それらを全て解決するためには、結局、機械の力を頼るしかなく...エネルギーやエコロジー・ヒートアイランド...といった様々な問題をひき起こしていくわけです。

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ちゃぶ台の話 [ 住まい雑感]

ちゃぶ台というと、すぐ、星一徹のちゃぶ台をひっくり返すシーンが、目に浮かんでしまう。とても日本の家庭を象徴する存在のように思えるけれど、意外と歴史は、浅かったりする。大正時代ごろに普及したそうだ。それ以前は、時代劇などで見るような、お膳で一人一人食べ、一つの卓をかこむことはなかったそうだ。 大正時代になると、農村地域の人々が、工場で働くために、都市に移動し、それまで村単位のコミュニティの中の賑やかな生活が、一変し、自分の家族とのコミュニケーションを大事にしなければ、寂しすぎる、といった状況が生まれたそうなのである。 そこで、ちゃぶ台である。みんな揃って、顔を突き合わせて食事をしよう、ということになった。男性と女性が、一緒に食事をするようになったのもこの時からだそうだ。(ちなみにこの時代、子供も大事にされるようになり、子供部屋を与えられるようになったそうだ。) 家族のコミュニケーションの問題を多く耳にする昨今だが、ダイニングのテーブルを、目一杯大きくして、顔を突き合わせる場にしてしまうのも、一つの解決法のように思う。 ◆住まい雑感のページ
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