ジャック・タチの「ぼくの伯父さん」 [ 映画の部屋]
ジャック・タチの僕の伯父さん(1958年)
カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞しています 。ジャック・タチが主演、監督、脚本を兼ねたもので、出演者はほとんど素人ということです。
「前衛芸術(今は死語か?)」華やかなりし頃を彷彿とさせてくれる建物・インテリア達。しかし、そこに登場する伯父さんは、そういった世界とは無縁の人。そのアンバランスさを、映画そのものでも表現しています。
多分、一般の社会の中では、こうした伯父さんは、「変な伯父さん」で済まされてしまうでしょう。でも、登場する世界を、彼とは対極にあるもの(前衛的な建物など)とすることで、「変な伯父さん」は、「面白い伯父さん」、「小気味のいい伯父さん」として映ります(この前衛の世界も十分変ですが)。
日常に隠れた可笑しさを、観客に素直に受け止めてもらうためには、こうした設定は必要です。
このように、結構細かい所にまで配慮の行き届いた映画ですが、見る側は、ものすごくリラックスして楽しむことができます。こういうところがプロのやり方なんでしょうね...
とても進んだセンスの持ち主であることを感じさせます。
ジャック・タチ(Jacques Tati)本名、ジャック・タチシェフ。
1907年10月9日 フランス生まれ。裕福な環境の中育る。
1925年 兵役
退兵後、パントマイムの寄席芸人となる。
1944年 ミシュリーヌ・ヴィンティールと結婚
1945年 長女ソフィー誕生
1949年 『のんき大将』公開。
1953年 ”ムッシュー・ユロ”シリーズ『ぼくの伯父さんの休暇』でカンヌ映画祭国際批評家賞受賞。
1956年 製作プロ『スペクタ・フィルム』創設。
1958年 『ぼくの伯父さん』公開。
1967年 『プレイタイム』失敗
1971年 仏=オランダ合作『トラフィック』公開。ユロ氏としての最後の映画。
1973年 スウェーデンのTV局用に『パラード』撮影。ロワイヤル氏というサーカスの司会を演じる。
1973年 製作プロ破産。
1982年11月4日 永眠。(シナリオ『コンフュージオン』完成直後)
■ジャック・タチの作品
ぼくの伯父さん
日本で発表されたのはこちらの方が早かった。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2004/02/27
- メディア: DVD
ぼくの伯父さんの休暇
作品としては、こちらが先に作られた。
- 出版社/メーカー: アイ・ヴィー・シー
- 発売日: 2002/08/25
- メディア: DVD
#映画の部屋
gillmanさん、nice ありがとうございます。
良い映画ですよね。
by room7 (2006-11-29 17:18)