街の構造 名古屋 [ ? の部屋]
私の住んでいる名古屋のメインストリートは、「広小路(ひろこうじ)通り」といって、名古屋駅から中心街の方に、西から東に向かって通っている。
一般的に城下町であった街のメインストリートは、お城から南に向かっていることが多い中、名古屋は他とは違った街の構造を持っていることになる。(名古屋も江戸時代には本町通といって、名古屋城から熱田神宮まで、南北に走る道がメインストリートだったのだが、明治時代に名古屋駅を西の端に作ったことから、広小路通りが延長され、メインストリートになってしまった。)
また、たいていの街が、駅の北と南で特色を変え、官庁街・オフィス街を形成する北側、飲食街・繁華街を形成する南側、といった構造を持っている。鉄道の駅も街を南北に分ける場合が多く、そういう街では、鉄道が敷かれた後もこの構造を維持している。ところが、名古屋は地形的に東海道本線が南北方向に走っていて、駅も名古屋を東西に分ける形になってしまい、以前は南北に分かれていた街を、複雑な分け方にしてしまっている
また以前、富山県の立山の近郊に生まれた人や浜松に生まれた人から、街では東西南北を意識することがなく、自分の位置は、山や海との関係から知ることができた。という話を聞いたが、名古屋は大きな平野にあって、地形から方角を知ることは難しい。だから、自分の位置、あるいは向いている方角を知るには、なかなかの知的努力が必要となる。感覚で方向を知ることができない分、街との一体感を持ちにくいともいえる。
こんな具合に、名古屋という街は、人間が本来もっている動物的の感覚との間に、ギャップを生じさせる構造を持っているような気がする。それが、社会構造や文化に影響しているものなのか...それは分からないのだが...。
あなたの街の構造は、どんなですか?
名古屋 街かど歴史散歩—街の歴史を再発見する散歩、それは、宝さがしのようにエキサイティングな旅だ!
- 作者: 山田 寂雀
- 出版社/メーカー: 郷土出版社
- 発売日: 1994/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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