ティンゲリー...楽しく動くこつ [ 人の部屋/しりとり]
◆人名しりとり...てぃ
ティンゲリー(ジャン・ティンゲリー/Jean Tinguely/1925.5.22〜1991.8.30)スイスの現代美術家。
動く彫刻「キネティック・アート」の代表的作家。
巨大なポンピドーセンターを見終わって、疲れて出てきた私は、ポンピドーセンターの脇にあったストラビンスキー広場で休息をした。その時は、ジャン・ティンゲリーについてさほど詳しくなく、ぼんやりと噴水の彫刻を眺めた。
なんか不思議な動きをする彫刻だな...。ラフで緊張感のない彫刻だな...。などと勝手なことを考えながらながめているうちに時間が過ぎていった。帰ろうと立ち上がってから、「ああ、これいいな。」
周りを見る余裕ができ、楽しそうに過ごしている広場の人達を見て、その日一番の場所にいると思えてきた。
違った形でに出会ったのは、ニキ・ド・サンファルの展覧会。彼女を紹介するビデオの中に、若き日の(ヒゲのない)ジャン・ティンゲリーが楽しそうに作業をする様子が映されていた。「ああ、こういう人があの彫刻を作ったのか」と得心した。穏やかで優しそうな人だと思った。
機械は、目的を持って生まれてくる。機能の上に成り立っている。20世紀の機能主義や合理主義の延長線上に、今の私たちの生活もある。動くものには動く理由を求める。何のための機械なのか。何に使うのか。それによって、その機械(人間も?)に価値があるか、ないかを決めている。
ジャン・ティンゲリーの機械(彫刻)には、それがない。見ている方に価値を求めないし、意味も求めない。見ている方もそこに安心する。だから、長く一緒にいられる。
■ティンゲリー美術館(マリオ・ボッタ設計)
http://www.tinguely.ch/
Jean Tinguely: Life and Work (Art & Design)
- 作者: Heidi E. Violand-Hobi
- 出版社/メーカー: Prestel Pub
- 発売日: 1995/05
- メディア: ハードカバー
Jean Tinguely. Stillstand gibt es nicht!
- 作者:
- 出版社/メーカー: Prestel Verlag GmbH + Co.
- 発売日: 2002/10
- メディア: ハードカバー
Die Wunder-Plunder-Maschine. Eine Geschichte rund um die Kunst von Jean Tinguely
- 作者: Peter Stieger
- 出版社/メーカー: Atlantis im Orell Fuessli
- 発売日: 2005/03
- メディア: ハードカバー
Jean Tinguely. Schwarz matt und Ginggernillis. Fotografien und Notizen
- 作者: Leonard Bezzola
- 出版社/メーカー: Scheidegger & Spiess
- 発売日: 2003/01
- メディア: ハードカバー
こんにちは。
ティンゲリー、いいですよね。
「巨大なポンピドーセンターを見終わって、疲れて出てきた・・・」には思いっきりうなづいてしまいました。本当にぐったりしてしまいますよね、ぜんぶまともに見てまわったら。
以前、少しばかりティンゲリーのこと書きましたので、よろしかったら読んでみてください。
room7さんの記事を読んだら、またティンゲリーの彫刻をのんびりと見てみたくなってしまいました。
by rbhh (2007-04-14 22:46)
rbhh さん、お久しぶりです。それから、コメントありがとうございます。rbhhさんのblog、時々楽しんでいます。ティンゲリーの記事、見に行きますね。
by room7 (2007-04-14 23:33)