イブラヒムおじさんとコーランの花たち/フランソワ・デュペイロン [ 映画の部屋]
これも借りてきたDVDで見た作品。監督のフランソワ・デュペイロンは、この作品で初めて知った。
「コーランの花」が何を指すのか良くわからないが(原題は、"MONSIEUR IBRAHIM ET LES FLEURS DU CORAN"なのでそのままの訳)...一番花を感じたのは街角に立つ娼婦の笑顔だろうか? (多分、もっと深い意味のことを指していると思う。字幕を追っているようでは...いかんともし難い。)
ユダヤ人の少年がアラブ人(実はトルコ人)の商店主イブラヒムと出会い、全く異なる文化環境に刺激され、成長していく様子を描いているのだが、そのこと自体、非常にデリケートな問題を扱っているだけに、踏み込んだ表現はあえて避けているのかもしれないが...そういった扱いの方が見ている方も気が楽で構えなくてすむ。
底辺に宗教は描かれているものの、宗教がテーマになってはいない。だから誰もが(どこの国の人も、どんな宗教の人も)ニュートラルな感覚で見ることができる。
こうした肩の凝らない環境は、始めの数分間の少年の行動を描くことで決定づけられている...と思う(やはり映画は最初が肝心だね〜〜〜)。
少年とイブラヒムがトルコに渡ってからの映像は、ロードムービーの様相。イスラム教の神秘性を描こうとしたのか、多様性を描こうとしたのか...。この部分はもう少し長くても良いような...いろいろ知りたいし。
娼婦の花が咲き乱れるパリの下町の様相に比べ、素朴で何もない山岳地帯...(あっ)風景が素晴らしい。人物を遠く引いたところから映し出しているが、その端に写る海...。(こんな撮影は日本ではできないだろうな...何かが写ってしまう。)これも"花"か?
イブラヒムを演ずるのはオマー・シャリフ(「アラビアのロレンス」の演技が懐かしい)。存在感のある演技。
オマー・シャリフは、この作品で2003年のヴェネチア映画祭で特別功労賞を受賞。作品自体は、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞にノミネートされている。
◆「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」の日本語版公式サイト
http://www.gaga.ne.jp/ibrahim/
◆goo映画の解説
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD5960/index.html
◆イブラヒムおじさんとコーランの花たちでググってみる
◆フランソワ・デュペイロンでググってみる
原作はエリック=エマニュエル・シュミット(Eric-Emmanuel Schmitt)。
Monsieur Ibrahim Et les Fleurs Du Coran
- 作者: Eric-Emmanuel Schmitt
- 出版社/メーカー: Albin Michel
- 発売日: 2007/04
- メディア: ペーパーバック
フランス語の勉強に...
#映画の部屋
takagakiさん、いつもnice!ありがとうございます。
by room7 (2008-02-19 23:19)